イマヲイキル
愛知県・愛西
トマト農家

石原 雅大

「自らの表現。人生を賭けた趣味。」

農業者として父を尊敬している。
農業が身近にあり将来の選択として農業を選ぶことに抵抗はなかった。だがそのつらさも知っており、すぐには農業者として生きる決断はできなかった。幼い頃から生き物が好きで生命を育む仕事として農業を理解し、その価値を知っていた。だから水耕という先端の農業技術を導入し、土を使わずにトマトを育てあげる父をただの農業者ではなくクリエイティブな農業技術者であると気付くことができた。
そして、その姿に心が躍った。

自分を見てほしい。
以前は父の手伝いでしかないと揶揄されることもあった。自らミニトマトの栽培を始めることで、新たな自分の歴史をつくるツールを手に入れた。この一口サイズのトマトを食べ、目の前で「美味しい」と言ってくれる。その言葉をもっと聞きたい。そして知ってほしい、これが「石原のトマト」だと。
トマトが楽しい。今では、この小さな赤い実を育てることが、自分の価値を高め未来に挑戦する心を養ってくれる人生最高の趣味だと感じている。

2011.6.2 取材
写真・文 ミゾグチ ジュン

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