photo:ミゾグチ ジュン

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NEGI PON 「おほね、ぽん」

COLUMN
おほね、ぽん

「おほね」の気持ち

ダイコンは、地中海沿岸地方が原産地とされ、古代ギリシア(BC2600)では金の容器に入れられてアポロ神殿に奉納されており、古代エジプト(BC2700)のピラミッドの碑文にはタマネギ、ニンニクとともにダイコンが支給されたと記録が残っています。

日本へは、シルクロードを経由して渡ってきました。栽培起源は明らかではありませんが「古事記」(712)には「於朋花・淤富泥(おほね)」、「日本書紀」(720)には「於保爾(おほね)」、「和名類聚抄」(923−930)には「大根(おほね)」と記載されています。また5世紀に築造された大仙陵古墳(仁徳御陵)からは、ダイコンの種子が発見されています。
その仁徳天皇が嫉妬した皇后を呼び戻す際に送った歌があります。

「つぎねふ山代女(やましろめ)の木鍬(こくわ)持ち打ちし淤富泥(おほね) 根白の白腕(しろただむき) 枕(ま)かずけばこそ 知らずとも言はめ」

当時の細いダイコンは白い腕に喩えられ、美しさの対象となっています。

「徒然草」(1330頃)には、「土大根をよろずにいみじき薬…」と吉田兼好はダイコンについて記載しています。
江戸時代になると、栽培技術、品種改良ともに進歩し、凶作に備えて切り干しダイコンや漬け物など加工の技術も生まれました。

現代では日本のダイコンの品種は100種以上あり世界で最多になっています。


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